現在のお仕事内容を教えてください

端的に言えば、「施設全体をよくしていくこと」です。あえてルーティンワークを持たないようにしていて、現場の状況を見ながらその時々で必要なサポートをしたり、よくないところを改善していくような動きをしています。

具体的にはどんな取り組みをされていますか?

現場の意見を引き出して、「こういうことをやってみよう」「この時間帯はこう動こう」と提案してみて、それが実際可能かどうかは、それぞれの部署の実動をよく把握しているスタッフが調整し実行に移していく事が多いですね。

私は全体の方向性を示し、チームが動きやすくなるよう整える役割ですね。いわば“現場が主体のマネジメント”を目指しています。自分が率先して動いてしまうよりも、スタッフ一人ひとりが考えて動けるような環境づくりを意識しています。

4月から現在の施設に異動されたと伺いました。
以前との違いはありますか?

以前はグループホーム高坂苑にいて、規模もスタッフ数も今より少なかったので、そのため自分も現場に入る“プレイングマネージャー”のような動きをしていたんですが、今は規模も大きくて、プレイヤーとして動きすぎると逆に他のプレイヤーの邪魔になることもありますので、今は「自分がやる」よりも「チームを動かす」方向にシフトしています。マネジメントに注力するバランス感に変わってきました。

管理者として大切にしていることは何ですか?

いろんな立場のスタッフがいますが一人ひとりが自分の持ち場で、持てる力を発揮できるようにする環境作りを心がけています。そのために、コミュニケーションの場が何より大切だと思うので、着任してすぐに、止まっていたミーティングを復活させました。

普段、勤務中にはなかなか言い出せないことや、心に抱えていることを話せる場を設けて、情報共有や意見交換をして、それを吸い上げ、みんなが発言しやすい雰囲気になるようにを意識しています。

その中で具体的にはどんな取り組みをされましたか?

2つの部署間で情報が分断されていたので、その垣根がなくなるように介護ソフトのアカウントを全員に付与して、誰でもチャットで情報共有できるようにしました。立場や部署を超えて横のつながりを持てるようにしたことで、コミュニケーションがかなり円滑になってきた感じがあって、情報が開かれると自然とチームワークが強まるように感じています。

仕事のやりがいを感じる瞬間は?

「ご利用者様の暮らしの充実」と「スタッフの成長」を感じる時ですね。

今は“何もない日をなくそう”をテーマにしているんですが、特別な日じゃなくても、小さなイベントや活動を取り入れるようにしていて、その結果、ご利用者様やご家族から「母の表情がすごく明るくなった」、とか「以前より笑顔が増えた」と言っていただけると、手応えを感じますね。現場のスタッフもみんな自発的にいろんなアイデアを出してくれて、嬉しいです。

職場の雰囲気について教えてください

用事があるといつでも理事長室に気軽に入っていける空気がありますね。ガチャっとドアを開けて世間話をすることもあります(笑)。理事長も気さくに話を聞いてくれる人ですし、話しかけてくれるタイプですね。私と年齢も近いので兄貴分のような存在です。

部署間の責任者同士でもよく意見交換をしていて、上下関係はすごく風通しがいいと思います。

今後、挑戦したいことはありますか?

組織のリーダーとして、伝える力とかスタッフみんなの意識を高めていく力をもっとつけていきたいと思っています。

介護の現場では、本来は顧客と従業員という立場のはずなのに、介護する側を「してあげる人」、ご利用者様の方を「してもらう人」という関係で捉えてしまいがちです。しかし、そうではなく「お互いを支え合う関係、作用しあっている関係」であるべきだと思っています。

年上のご利用者様に対しても、人生の先輩として敬意を持って接すること。その意識をスタッフ全体に広げていけるよう働きかけていきたいです。そういった考えを投げかけて転換させられるようなスキルを身につけていきたいですね。

最後に、求職者へのメッセージをお願いします。

この仕事のスキルが高まると人間関係もうまくいくようになるんですよね。介護の仕事には「コミュニケーション力」がとても大切なので、相手の言葉や行動に振り回されずに、「なぜそう言ったのか」「どんな気持ちでそうしたのか」と意図に目を向けられるようになると、人間関係が驚くほど良くなるんですよ。

このスキルは、仕事だけでなく日常生活でも役立ちます。考え方が柔軟になって周りの人たちとの誤解が減っていくと思います。それが自分の成長に繋がっていくんですね。

年齢や経験に関係なく、成長できるのがこの仕事の魅力です!