現在のお仕事内容を教えてください

特養に入所されているご利用者様の心身機能を維持・向上させるために、個別リハビリや作業支援を行っています。ほかにも、買い物や日帰り旅行など外出のサポートをしたり、車いすやベッド周りなど生活環境の調整も担当しています。ショートステイの方には、ご自宅での生活が続けられるような支援も行っています。

リハビリ的な運動だけじゃなく、生活全体を見据えた関わり方をしています。

2名体制で多くのご利用者様を支援する中で、
どんな工夫をしていますか?

全員に直接リハビリを行うのは難しいので、介護職や看護職など他職種と連携しながら進めています。スタッフ同士で「どんな目標をもって支援するか」を共有することが何より大切ですね。ご利用者様ご本人やご家族の要望をもとに、その方の過去の暮らしぶりや性格を踏まえながら、一人ひとりに合った方法をチームで考えて、なるべく在宅時に近いような環境を整えるようにしています。みんなで同じ方向を向くことで、より良い支援につながります。

仕事の中でやりがいを感じるのはどんな時ですか?

「家に帰りたい」と話されていた寝たきりの方が、少しずつ動けるようになり、表情も明るくなっていくのを見た時は本当に嬉しいですね。できることが増えると意欲も上がり、次第に「これもやってみたい」と前向きになってくれる。その変化を一番近くで感じられるの時はやりがいを感じます。

最終的に完全な在宅復帰は難しくても、年末やお盆に一時帰宅できるようにご家族と調整したりして、ご本人様やご家族が喜んでくださるのは嬉しいですね。

ご利用者様やご家族様との関わりで大切にしていることは?

ご家族との連携はとても重要です。介護スタッフから日常の様子を共有してもらいつつ、私からは「今はこういうことができています」といった機能面の情報を伝えるようにしています。直接お会いして話すことで、「そんなことができるようになったんですね」と驚かれることもあります。関わる人すべてが同じ理解を持てるよう、できる限り対話を大切にしています。

印象に残っているご利用者様とのエピソードを教えてください

長く関わっているご利用者様から「私が死ぬまでここにいてよ」と言われたことがありました。何か特別な出来事があったわけではなく、日々の積み重ねの中で自然に出てきた言葉だったと思うんですが、その瞬間に“信頼してもらえているんだな”と感じ、その事がとても印象に残っています。日々の小さな積み重ねで信頼が築かれていくんだと、そう実感しましたね。

理学療法士として成長を感じる瞬間はありますか?

仕事柄、文献などに頼りがちで、以前は疾患や動作など“体の仕組み”ばかりに目が向いていましたが、介護施設で働くようになってからは、ご家族や制度、環境など“暮らし全体”を意識するようになりました。

ここでは根拠が曖昧な中でやることが多いので、現場の経験や自分の感じた事を通して「その人にとっての最適」を探すようになったのは大きな変化です。ご利用者様を多面的に理解できるようになって、成長できたところなんじゃないかと思っています。

今後挑戦したいことを教えてください

「介護予防」にもっと力を入れたいです。特養は要介護の方が多い場所ですが、怪我や病気になる前に防ぐことができれば、皆さんがもっと人生をより楽しめるんじゃないかと思っています。

介護予防の意識を高めていただくために、以前は地域で認知症カフェなどを開催していましたが、コロナで中断してしまったので、今後はまた地域と連携して、予防や健康づくりの活動を再開したいと思っています。今はどんなアプローチがいいのか模索中ですね。

最後に、職場の雰囲気や
これから応募される方へのメッセージをお願いします

高坂苑はスタッフ主体で動ける自由な職場です。「まずやってみよう」という雰囲気があり、アイデアを提案すれば、周りも一緒に考えてくれる。失敗成功はさておき挑戦できる環境です。

ご利用者様の方の「できる」を一緒に増やしていきたいという想いがある方なら、きっとやりがいを感じてもらえると思います。ぜひ仲間になって、一緒に成長していきましょう!